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なお、カタログでは、両社共2,000mの深海での施工が可能との説明がある。そして、MENCK社の場合、水中用として、動力源となるPower Packがあり、これはハンマーと一体化できるようになっていて、動力源とハンマー本体が近接しているため、ロスの少ないハンマーといわれている。
一方、IHCのハンマーは部品数が少なく、高度に電子制御された「インテリジェントハンマー」と呼称されている。

 

b)IHC Gusto Engineering社
Gusto社は前身が造船所の設計部ということより、業務内容で示したごとく、鋼製の海洋構造物に対する設計実績を相当有し、今回は施工面での調査であり、短時間の調査となったが、設計面では非常に興味の持たれる会社との感じを受けた。
実績を概観すると
・大重量吊りのセミサブ型クレーン船の設計
・海洋油田用鋼製掘削リグを初めとする昇降式プラットフォームの設計
・パイプ敷設装置(S-pipelayingおよびJ-pipelaying equipment)等の特殊機械装置の設計
に大別され、多数の実績を持っている。
そして、前日訪問のHeeremac社のクレーン船やパイプ敷設装置の設計を行っており、両社の繋がりはかなり親密な感じがした。
解析面のプログラムソフト関係は自社開発のものの他、MARIME、NASTRANを使用しているとのことである。
(4)IHC Holland-underdijk工葛の見学
当工場は特注の浚渫船、配管部品並びにハイドロハンマーを製造しており、工場設備として特に興味を引くものは見られなかった。全体に人力に頼った工場との感じである。
特に、目を引いたのは翌日進水式を向かえるという排水量4万トンの“Trailing Suction Hopper Dredger”である。船体外面には電気防蝕用アルミブロックが艤装され、通常の船と異なり、異様な感じを受けた。
その他、当工場には浚渫作業者の教育設備を持ち、26名/回、2〜3週間の教育トレーニングを行っているとのことである。

 

参考文献:1)(株)森長組:IHC Hydrohammer/The unique hydraulic piling hammer(カタログ)
2)MENCK:Offshore Hydraulic Pile Driving Hammers MHU(カタログ)

 

 

 

 

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